対話のセラピー
私のセラピーは主に、クライエント様との対話によって進んでいきます。
クライエント様が安心してお話ししながら、ご自身の内面を感じ、考察し、ヒントを見出すのをお手伝いするのが、私の基本的な役割となります。
お手伝いというと、別に私のようなカウンセラーはいなくても良いのではないかと思われます。実際、本当はいなくても課題を乗り越えてゆくことはできます。ですが実際問題、自分だけで内省することは私たちにとって難しいことであり、他人という鏡を使わないと見えない、気付けないところはたくさんあります。
のみならず、問題は一つではないことが多いので、何から手をつけたら良いのか、どの深さまで掘り下げたら良いのか、その辺りのガイドもさせていただいております。
私たちは、いつも自分の気持ちを誰かに聞いてもらいたいと思っているし、さらに言えば理解して共感してもらいたいと思っています。それによって得られる安心感は私たちが健康に生きる土台であり、精神的、ひいては霊的な進歩のためには非常に大事な要素となってきます。
幼い子供の成長に母親の無償の愛と抱擁が必要なように、大人になってからも、そうした心の安心・安全は生きる上で重要な位置を担います。けれどもそうした根本的な必要は未だ社会に十分に認知されているとは言えず、特に日本人は、人に頼ることに抵抗を持つ方が多いのが事実です。
占いとの違い
占いの利点は、自分にない知見と知識を取り入れられるところにあります。
例えば霊媒師など、一般の人にはわからないその人の背後で働いているダイナミズムを読み取り、現象を整えたり、課題を克服するための知識を提供します。
もしくは一緒に取り組むこともあれば、課題の克服を代行します。全体の真実を網羅していないことを踏まえた上でわかりやすく言えば、占いは、アメリカのコンサルタント:エドガーシャイン氏のいう「医師・患者モデル」に該当すると思われます。患者は自分にとって必要なものを医師が持っており、それを金銭を対価にもらう、といった関係概念です。
おおむね、ほとんどの占いがこのモデルに当てはまります。人々は自分にない専門的な知見を得るために対価を支払います。
対話によるセラピーはそれとは異なります。なぜなら、クライエント様の本当の課題も、そして今取り組むべき最良の課題も、セラピストやコンサルタントのパーソナリティにはほとんど分かり得ないと考えるからです。これは多くの品位と知性あるセラピストの間での共通の認識になります。
なので私は、自分がクライエント様のことを何も知らないという事実を”利用する”形で、クライエント様に問いかけ、共に考え、感じ、クライエント様ご自身が課題に取り組むのを支援する立場をとっております。これは、クライエント様に対する謙虚な支援方針であると同時に、クライエント様の取り組みを尊重する姿勢の根本でもあります。
対話の歴史
人類が誕生して以来、「自分」にまつわる問題と、それを解決しようとする動きは途切れることなく続けられてきました。
過去、それは宗教に委ねられてきました。それぞれの国や地域にも、自分を見つめたり整えたり、あるいは浄化する独自の文化や習慣がありました。それが今では心理学の分野にバトンタッチされ、急速にその技術や洞察が専門化されつつあります。
対話の技術は古代ギリシアのソクラテスによる問答法にも表れているように、かなり古くから存在し、かつ現代では科学的見地からも研究が盛んに進み、洗練されつつあります。
私の対話技法はその人類の臨床と研究の延長上に存在し、現在の心理学的、また太古からの霊的内省の見地からも意味と効果のあるものを採用しております。
今ここに気づいていく
対話のセラピーでは、内観を通して普段よりも深く、そして詳細に自分を知ることで問題解決に繋げていきます。そこに対座するセラピストとクライエントは、自らの心を変えることが癒しであるということについてある程度同意のある関係と言えます。カウンセリングの場合、治療や問題解決という具体的な目的をもって始められ、内観を通して自己を発見することになります。それと同時に、自分自身や他者との関わりに関する勘違いや思い込みが正され、結果それが癒しに直結します。
セラピーで重要なのは、「今ここ」に気づいていくことです。この表現は使い古された感じがありますが、その高度な極地にあるのは悟り、解脱です。悟りは何か霊的行法を積み上げて達成するものではありません。「自分を束縛する全ての虚妄から、私は本来自由なんだ」と気づくことによって達成されます。もちろん、顕教やエネルギー的なアプローチが気付きやすい状態を作るとは言えますが、本質は「何をする必要もない」なのです。
特定の宗教や思想、哲学、常識、自己概念など、あらゆる観念からの自由への唯一の道が、「今ここ」の中にこそあります。悟りとは純粋な体験であり、奇しくも対話によるセラピーも、今ここの純粋な体験を通して、自分に気づくことを目的としています。
新しい理論を求めたり波動を高めたりなどの、取り入れをするのではなく、すでに完全である私たちの実相に目覚めるのに必要なのは、自分の中の真理の自覚を妨げているものに気づくことです。「対話のセラピー」はそのための地に足のついた堅実な道の一つです。
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