賢者と愚者
この輪廻は終わりを知らない
世界には始まりもなく、また終わりもない
私たちは人間の生という、
終わりのない活動に終始している
仕事、財産、家族、そして自分の満足のための諸々の行為
これらは実に終わりがないことを賢者は見抜いた
だから彼らは終わりのない車輪の回転を止めるため、
昼夜絶え間なく努力する
そしてそれ以外の道を絶っている
ヨーギや菩薩、そしてあらゆる真理だけを求める魂は、
非真理を一つずつ見抜き、
それと親しくすることをやめた
賢者だけが、唯一終わりのある作業に専心する
ヨーギや菩薩、そしてあらゆる真理だけを求める魂だけが、
意味のある進歩への確実な一歩を踏み出す
誕生、成長、そして死という不毛な夢の続きを、
もう見たいとは思わないし、見る意味も失われた
かような賢者たちを軽んじる世間の人々は、
自分達が追いかけてすがりつくそれらが、
熟練の漁夫の仕掛けた投網であることを知らない
腹が減り、物足りなさに胸が騒ぎ、
その苦しみから逃げ出そうと急ぐ彼らは、
自分たちが深刻な罠に嵌められていることに気づかない
自己の安楽のために犯した罪悪が、
苦痛しかもたらさないという因果の真実を見ようとしない
私の中では、未だ愚者の大声がする
しかし賢者の声も聞き取れる