徳の花嫁
すべての楽や喜びは徳の花嫁であり、
すべての苦痛や恐怖は、不徳を友とした結果である
かように知り、
徳と不徳とを見分け、
自己と他者の為に賢明な判断をする人は、
自身に降りかかるあらゆる苦悩を耐え忍び、
またこれに満足する
それは自分がこれまで望んできたことだから、
その結果は当然のことである
次にその経験から己の習性を学び、
自分の中に居座っている悪友に別れを告げる
それはこれまで自分が怠惰であり、
分別の知恵がなかったために寄生していた者
自分の幼稚さや高慢さにとって彼は居心地の良い友であるが、
自身の習性とこの友が何を自分と他者に為したかを、
よく考えなえればならない
それは無知にとっては楽しみであるが、
智慧の芽生え始めた心にっては苦痛の種でしかない
分別のある者は、
冷静にこのことを検討すべきである
結果は嘘をつかない
法則を欺くことはできず、
宇宙のバランスシートは1円の狂いもあり得ない
ああ、私の中にある悪友たちよ
汝らは私に利があると誘い、
結局私から時間と財産とを奪い、
かつ苦しみだけを与える詐欺師であった
のみならず汝らは、
真の徳を私から巧妙に隠し、
それを不毛でくだらない理想主義と吹き込んだ
愚かな私はその甘い言葉に酔い、喜び、騙された
これによって積んだ悪徳の結果を、
私は甘んじて受け入れなければならない
ああ汝ら悪友よ、悪魔よ、
いまだ汝らは私の耳元で大声を出し、
巧妙な誘導尋問を繰り返す
これによって私は錯覚を起こしそうになるが、
麗しい徳の花嫁の身につける鈴の清らかな音色もよく聞こえるようになってきた
すべて現象の宇宙を貫くその尊き音色は、
私の心に涼しい誇りと不退転の勇気とを与える
心のうちにはびこる悪徳を殺し、
真の徳に身を捧げた者には、
天地の女神御自らが伴侶となり、奉仕する
ああ、このシャクティとの合一の尊い真理よ
私はこの正しい結婚の法に帰命する
また、我欲なきこの純粋なエクスタシーを創造された天の御方に、
永遠の忠誠を約束する